ピラティスレッスン編 S くん#1
みなさんこんにちは
ピラティスレッスンレポート編STARTします。
今回初回レッスンの模様をお伝えしますが、今後、レッスンを継続してくださる予定なのでその経過もお伝えできればと思っています。
それではやっていきましょう!
クライアント紹介
クライアント紹介していきます。
S くんです!
はい後輩くんにお願いし今回レッスンにご協力いただきました。ありがとうございます。
サクッと紹介していきます。
性別・年齢:24歳男性
職業:理学療法士
趣味:ゴルフ
主訴:「腰が痛い」
続いてこの情報を元に、主訴の痛みについて問診を行い深堀っていきます。
問診
・腰はいつ痛いか?(when)
身体を動かしている時
・腰が楽な姿勢は?(疼痛緩和肢位の有無)
腰が動かなければ痛くない
・腰はどんな動きで痛いか?(how)
中腰の時が1番痛い。基本的には腰が動くと痛い。
・腰はどんな痛みか?(how)
つまるよう痛み。動作中常に感じる。
腰についてまとめると、
・腰椎屈曲時痛>腰椎伸展回旋時痛
・安静時痛(-)
続いて、ADL場面での疼痛の再現性をみていきます。
・何してると痛くなる?
中腰(正座で中腰)でのリハビリ中。5分くらいでキツくなる。
ゴルフのスイング時痛(振りかぶりとフォロースルー)
あぐらが深くかけない(膝が浮いてしまう)
また、問診していく中でクライアントから他部位の疼痛の訴えも聞かれました。
・右膝の痛み(深屈曲時・屈曲伸展の切り替わり時・クリック音)
・首肩こり
・首の痛み
・頭痛(左の頭がつっぱる)
などの症状が出ている状態。
ここで既往歴について聞いてみると、
- 高校時代内反ストレスかかり膝痛め、歩けなくなった
- 右足首の捻挫(2-3回)
膝に関しては、受傷から数年経過しており、痛みの慢性化していると考えられ、また機能不全に伴う、運動パターンの破綻から可動域制限などの機能制限もみられている。
症状の出現順序に関しては、膝→腰→首肩の順番で症状が出現している様子。
膝と腰の機能不全から他部位の不調に影響を及ぼしていると推測される。
首肩こり、首の痛み、頭痛に関しては、時折しばしばみられるとのこと
首の回旋時痛はのもと大先生の施術後良くなったとのこと
続いて姿勢を評価していきます
姿勢・動作評価
姿勢評価
立位
・典型的なスウェイバック姿勢
動作評価
前屈
・脊柱のラウンド不足
・骨盤の後方スウェイ
・股関節屈曲不足
後屈
・腰椎の過可動性
・骨盤の前方スウェイ
・股関節伸展不足
回旋
・右回旋が特に問題
・右回旋時の回転軸のズレ
・骨盤のスウェイ
・胸椎回旋不足
・足部回外の代償
各動作での右腰背部痛および詰まり感
統合と解釈
問診と姿勢・動作評価を統合すると、
- 一連の疼痛の根本原因は膝と腰
- 膝と腰を代償するように頭頸部のエラーが生じている
- 脊柱全体のモビリティ低下
- 隣接関節(股関節と胸椎)の機能低下
初回の介入の考え方として、
“痛みを出さない”のが最優先のため
脊柱を動かすエクササイズをして痛みが出たり強くなってしまうと、
「運動恐怖症(kinesiophobia)」を助長させてしまう可能性がある
腰痛の症状を悪化させないことが第一のため、
初回介入では、脊柱の動きは出さないようなエクササイズを選択する。
今回のケースでは、
脊柱全体のスタビリティーした中での股関節機能を高めていくことを目的に
YUR backプログラムのスタビリティプログラムを行いました。
今回処方したエクササイズを詳しくみていきます。
エクササイズ処方
背臥位ニュートラル
まずは背臥位のニュートラルポジションをとらせます。
幸い今回クライアントが理学療法士のため、専門用語を使えばこちらが伝えたいことは伝わります。
しかしそれでは練習にならないので、
なるべく専門用語を使わないようにレッスンしてみましたが、
これがまた難しい。
今までもニュートラルポジションを取らせるためのキューイングの練習はしてきましたが、
いざ人に理解してもらうとなると、受け取り方が人それぞれ違うため、
ニュートラルポジションを取らせるためのキューイングが1個だけでは
それで伝わらなかった場合困ってしまいます。
実際やってみてそう感じました。
最終的には専門用語を使ってしまったのですが、、
これもいい経験なのでこれからも色んな人にどんどんキューイング出していきたいと思います
個人的な反省この辺で、
今回のクライアントの場合背臥位ニュートラルをとった時にでる代償動作として
- 頭部伸展
- リブフレア
- 骨盤後傾
- 股関節外転
これらの代償動作が出現しやすかったです。
なのでキューイングとして、
という感じで修正していきました。
大分ニュートラルとれてきましたが、
頭部伸展はなかなか修正できないことから
頭部伸展筋である後頭下筋群の短縮が強いということが考えられます。
このように、姿勢だけでなく
背臥位をとろうとする過程の動きの中で評価できるのがピラティスの最大の強みかなとか思います。
- エクササイズと評価が一体となっている。
- 評価でありエクササイズ
これって最強じゃないすか。
のちのちの動きで判明しますが、骨盤のニュートラルはできてそうだったのですが、
骨盤を固定することはできても、
骨盤を自分の意思でコントロールしながら可動させる
という動きは苦手なクライアントでした。
なので骨盤のニュートラルができたからといって
骨盤のコントロールはできると判断せず、
色んな動きを統合的にみて解釈することが大事だなと感じました。
背臥位のニュートラルを処方してわかったことをまとめると、
- 後頭下筋群の短縮が強そう
- 骨盤のスタビリティはでる
- 腹斜筋は特に弱そう
- 股関節外転外旋優位
このようにより詳細にクライアントの身体がわかってきます。
姿勢だけでは、あくまで予測ですが、
動きの評価が加わることで確信に変わってきます。
またどんな代償がでやすいかもわかってきます。
これらを元に処方するエクササイズをクライアントに適したカタチで処方することができる
というのがピラティスの強みであり、理学療法士で培った観点も活かされてくると思います。
呼吸
呼吸ですね。
シンプルに鼻から吸い口から吐くを学習してもらいました。
”呼吸中に顎が上がりやすい代償動作”がみられていました。
呼吸は運動の1番の基本なのでここが円滑に行えていなければ、
動作も当然円滑に行うことができません。
ちなみに呼吸は1日2万回してるそうですよ
ベントニーフォールアウト
純粋な股関節だけの外旋動作を行います。
骨盤の回旋の代償が入らない範囲で行ってもらいます。
クライアントの動作の特徴として
- ニュートラルポジションに戻す際に、内転が不足し膝が開いた状態で戻ってしまいます。
- また、骨盤ニュートラルが保てず、後傾位になりやすい。
股関節単体の動きがでず、骨盤の後傾が先行して起きてしまうタイプですね。
これは私もそうなんですけど男性あるあるかなと思います。
シングルレッグマーチ
ベントニーフォールアウトと似ているエクササイズで
純粋な股関節屈曲で屈曲動作を行っていきます。
この時も骨盤の代償がでない範囲で行うようにします。
例のごとく今回のクライアントは股関節単体での動きが出にくく、
骨盤後傾での代償がでやすいので注意して行こないました。
次回は、続きの再評価と今後のプランニングおよび2回目のレッスンの模様についてお伝えしますね。
ではでは(^^)