足部完全攻略
今回は、足部の全てについてお伝えしていきます。
足部がわかると一気に身体の見え方が変わります。
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この記事の信頼性
- 理学療法士5年目
- 新卒から回復期病院勤務
- 非常勤として整形外科クリニックに勤務
- 通所リハビリも経験済み
歩行の2つの役割を「塊」である足部が担う
足部=細かい骨の塊
塊だからそれぞれが少しずつ動くことで、力を発揮する場所
少しの動きだから地味かもしれないが、唯一地面に接している足部は重要
足部は歩行において2つの役割を持っている
- 衝撃吸収力
- 推進力
これらの役割は、足部構造によって自己組織的(オート)に行われている
運動表記の見解の統一
矢状面 | 水平面 | 前額面 | 3平面運動 | |
北米 | 底屈・背屈 | 内転・外転 | 内反・外反 | 回内・回外 |
日本・欧州 | 底屈・背屈 | 内転・外転 | 回内・回外 | 内反・外反 |
前足部:ショパール関節(横足根)より遠位
後足部:ショパール関節(横足根)より近位
足部と運動連鎖
運動連鎖=運動の波及
距骨下関節と下腿には強い運動連鎖が存在する
- 距骨下関節回内=下腿内旋
- 距骨下関節回外=下腿外旋
距骨下関節回内による足部への荷重連鎖の波及
- MP関節:外転・外反
- 横足根関節(ショパール関節) 縦軸:内反、斜軸:背屈・外転
- 第1列(リスフラン関節):背屈・内転・内反
足部の関節
- 距腿関節
- 距骨下関節(STJ)
- 横足根関節(MTJ)
- 第1~5列
距腿関節
距腿関節=ほぞ継構造
下腿との関節面である距骨滑車が前部の方が広い。
そのため、
背屈位:関節面→広い 安定性→良い
底屈位:関節面→狭い 安定性→悪い
内果の方が外果より高いため、距腿関節の運動軸は、斜め
そのため、単純な一方向の運動ではなく、
OKC:背屈+外転、底屈+内転
CKC:下腿の前傾+内旋、後傾+外旋
というように2平面の運動になる。
距腿関節の底背屈時には、腓骨の動きも加わる
- 背屈時:開排・挙上・内旋
- 底屈時:集練・下制・外旋
距骨下関節(STJ)
- 距骨と踵骨で形成
- 3平面運動(回内・回外)、可動域は少ない(強固な関節)
- 3つの関節面がある(前・中・後)
- 骨間靭帯:距骨と踵骨を強固に結合する(ねじれや伸張に対応)
- 筋の付着がない→周囲の結合組織の影響を受けやすい
- 運動軸は斜め(踵骨外側~舟状骨の中心に向かう)
横足根関節(ショパール関節 MTJ)
横足根関節(ショパール関節 MTJ)=距舟関節+踵立方関節
- 踵立方関節:鞍関節のような形態(比較的動かない)
- 距舟関節:球関節のような形態(比較的動く)
2つの運動軸がある
- 縦軸:内外反
- 斜軸:背屈+外転、底屈+内転
第1~5列(楔状骨+中足骨)
1~3列までは、中足骨と楔状骨のセット
4・5列は中足骨のみ
例)1列=内側楔状骨と第一中足骨のユニット
主な動きは”楔舟関節”で起こるとされている
運動軸:
2列を基準に内外転の動き
→1列と5列で運動方向に注意
1列 背屈+内転+内反 底屈+外転+外反
5列 背屈+外転+外反 底屈+内転+内反
距骨下関節を深掘り
距骨下関節の特徴
- 骨間靭帯で強固に結合
- 脂肪組織(メカノレセプター)が多い
- 筋肉の付着なし
距骨下関節の動き
回内:背屈・外転・外反
回外:底屈・内転・内反
回外:距骨の背屈+外転 踵骨の内反
回内:距骨の底屈+内転 踵骨の外反
OKCとCKCで共通しているのは
足根洞が閉じる動き:STJ回内
足根洞が開く動き:STJ回外
足根洞に皺がよる(回内)、皺が伸びる(回外)
距骨下関節の動きで、足長や横径は変化する
回内系:足は大きくなる
回外系:足は小さくなる
距骨下関節と歩行
距骨下関節には3つの関節面があり、距骨下関節ニュートラルは、これら3つの関節面が合わさった状態
具体的に言うと、
外転10°
背屈20°
外反10°
距骨下関節ニュートラルのとり方
- 第5中足骨から挙上させることで、横足根関節(ショパール関節)MTJを外反方向に動く(MTJの外反ロック)
- 背屈させて、距腿関節をロックさせる
- そこから、距骨下関節の回内外の動きのみを抽出できる
歩行においては、距骨下関節ニュートラルを2回経由して、柔(衝撃吸収)と剛(推進力)を切り替えている
切り替えがうまくいかない場合、歩行にエラーが生じる
例)正常では、踵骨外側から足底外側を通り母趾へと重心移動が起こるが、距骨下関節過剰回内では、踵骨内側から足底内側を通り一度外側へ向かってから母趾へと床反力の移動が起こる。
→蓄積された捻転力の放出は、踵離地に見られる急激な後足部の外転性ひねりで証明される
歩行以外の例で言うと、
慢性腰痛の人の足の特徴は以下に挙げられる
- 扁平足
- 過剰回内
- 脚長差
- 矢状面の硬さ(距腿関節の背屈)
- 不安定性
LHAと後足部
LHAを荷重下と非荷重下でみることで後足部での代償ができているかをみる
後足部の不安定性は、距骨下関節ニュートラルを取った時に、下腿遠位1/3の延長線と第2中足骨が一直線上になっているか、距骨の変位があるかで判断できる
後足部不安定性の要因→距腿関節の不安定性?
MTJを深掘り
足部の中の複雑な関節構造=立方骨と踵骨(踵立方関節)
踵立方関節は外反するとロックされる
踵立方関節が外反ロックされると、踵骨と立方骨が一体化し、レバーアームが長くなる
反対に距骨下関節が回内のとき、MTJは相対的に内反になるので、アンロック(柔らかくなる)になる(荷重下において)
MTJの外反角度をみている(STJニュートラルを取った時の踵の底面と1・5中足骨頭の底面の関係性で評価)
前足部外反が小さすぎると・・・回内誘導されやすい
前足部外反が大きすぎると・・・結果回内誘導されやすい
ロッカー機能と足部の関係性
足底腱膜は前足部と後足部を近づけて足部が緩くならないようにする→硬い足を作り上げて蹴り出しの準備
母趾種子骨があることで、回転半径が大きくなり、足底腱膜をより縮めることができる
第一列の背屈と底屈と蹴り出しの関係性
母趾MP関節を十分に伸展させると第一列は底屈する
反対に、第一列が背屈しているとMP関節は十分に伸展できない
つまり、一列の底屈可動域がないと、MP関節伸展がつくれないため、蹴り出しができない
第一列の底屈は筋肉の振る舞い次第(長腓骨筋・後脛骨筋)
主要な靭帯は一列には直接付着していない
後脛骨筋は内側縦アーチを支える最も強力な筋のため、後脛骨筋なしではアーチ保持は絶対に不可能
PTTD(Posterior Tibial Tendon Dysfunction):後脛骨筋機能不全症候群
- 進行性である
- 潜在的なものも多い
- 体重の重い40~60代の女性に多い
- 内果の後ろに病変→部分断裂へ進展
成人に起こる片側の進行性扁平足ではPTTDを疑うべき(急に片方のアーチが落ちてきたなぁ)
- 診断は医師
- 後脛骨筋の圧痛
- Too many toe sign→足部を後方から観察し、より多くの足趾が観察できるか否か
- Single leg Stand(片足つま先立ち
- MMT
- 画像診断
COPと足部構造
足底皮膚反射が存在
歩行全周期にかけて小趾球と中外側の刺激は長腓骨筋を促通させる
反対に、立脚初期~中期に前内側刺激は長腓骨筋を抑制させる
立脚期での正常なCOPの軌跡は踵外側~母趾という流れ
COPが足底の内側を通る人は腰痛発生リスクが高い
足部構造にみあったCOPの軌跡は、脂肪の厚い踵から始まり、ロックの利いた踵立方関節を通過し、足底腱膜のWindlass機構が強烈に利く母趾MP関節伸展
土踏まずを避けるようになっている
大腿と下腿の回旋と歩行→?
前方へ推進する時に股関節外旋運動が生じる
大腿骨前捻角の存在が前方への推進を後押しする
まとめ
まだまだ勉強中ですので、今後も更新していきます