ジュニア世代のアスリートに向けた運動療法
PHI JAPAN Pilates FESTA 2021より空先生のセミナーのまとめになります
- ジュニア世代の指導方法がわからない
- ジュニア世代に適したトレーニングがわからない
- ジュニア世代への接し方が難しい
- ジュニア世代の指導方法がわかる
- ジュニア世代の運動の本質がわかる
- ジュニア世代に適した運動指導ができる
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それではやっていきましょう
身体運動の本質
フレーム問題
フレーム問題
今しようとしていることに関係のある事柄だけを選び出すことが、実は、非常に難しいという問題
フレーム問題=日常生活のありとあらゆる場面と一緒だねって
選択するという難しさがあります
ベルンシュタイン問題
りんごを取るっていう動きだけでも、全く同じような動きは2度と起きない
環境が運動に大きな影響を与えている(時間的なものも含め)
運動自由度・運動の文脈・運動単位という要素が複雑に絡み合って運動が起きる
→統合的運動生成概念と同じで運動というのは常に複雑・変化するもの
いかなる環境にも適応できる身体を獲得することが、運動の本質
→安定させようとして身体を固めては対応できない。型通りの動きを練習しても適応できない
運動は常に環境との相互関係にある
苦手な動作を獲得させていく時に、どうするか?単純に動作の練習をするだけでいいのかということに繋がりますね
段階的な発達段階
現代のリビングと昔の長屋の室内では様式がかなり異なる
→今は、従来の発達段階より早く獲得するのでは?
- 環境による刺激量の多さ
- アフォーダンスによる影響
- 環境が運動を規定
発達段階に合わせた運動療法
テーブルトップポジション=3マンスポジション
エクササイズとして、もう一度やり直す的な意味合いでDNSアプローチを行う
要は多様性、動作パターン増やしていく。動作パターンの多様性を獲得するということ
ジュニア世代の運動指導において大切なこと
ジュニアの感受期
ジュニアの運動能力には、「感受期」という、さまざまな要素の運動能力が発達しやすい時期というものがあります。要は感受期に応じた運動を選択することが望ましいです
長期アスリート育成理論
女子8~11歳、男子9~12歳の時期をFUNdamentalsと呼ばれています。
この年代は運動スキルという運動学習能力が1番発達しやすい時期であり、同時にスポーツの楽しさ(FUN)を実感するべき時期でもあることからFUNとなっている
専門的な競技動作以外の運動の重要性
サッカー選手の例
- 遊びのサッカーをいかにやっているか(楽しめていたか)
- 代表レベルの選手は他の競技の専門的な練習をやっていた
ジュニア期に遊びのサッカーやサッカー以外の競技をやっていたかどうかで、代表レベルの選手、プロ・アマチュアの差ができるという研究
心理的発達からみる運動の工夫
思春期の時期は、モチベーションは下がりやすい時期である(中学生くらい)
中二病は、他者批判とかモチベーションが下がりやすい時期である
→あえて競わせることでモチベーションを保つ工夫をすることが大事
バルシューレというボールを使ったエクササイズをよくやる
ジュニア世代の運動指導ポイントのまとめ
- さまざまな要素が折り込まれた運動を行う
- 遊びを通して、多様な運動を行う
- 運動学習能力が高い時期にはいろんなスポーツを行う
- 高強度のトレーニングは避ける
- 成長期を考慮して、個別性を大切に
雑巾かけのすすめ
雑巾かけを行うことで得られるメリット
- 手からの感覚入力
- 視覚と体性感覚の統合
- 四つ這いでの前庭感覚入力
- 股関節の機能UP
- 肩甲帯の安定性UP
- 四肢のコーディネーション能力UP
空先生は。逆立ちと雑巾がけは絶対やるそうです。軍手でやったり、サイドローイング系のエクササイズも脊柱から運動を波及させるという意味でジュニアでやる見たいです。上行性でも下行性でも運動連鎖が滞りなくできるようにする目的で行うとのことでした。
ジュニア世代のアスリートへの症例に合わせた運動処方
オスグッドシュラッター病
病態
- 大腿四頭筋の過緊張
- 腸腰筋・ハムストリングスの機能不全よるキックやスクワット動作時の大腿四頭筋の負荷増大
- 足関節の背屈制限による膝関節への負荷増大
上記が複合して発症につながるケースが多い
運動療法のプロトコル
運動療法では、膝に負担がかからないのが大前提
その中で、患部の状態に合わせた運動処方を行う
▶︎股関節可動性改善
・大腿四頭筋のストレッチ、ハムストリングスのストレッチ(骨盤前傾を獲得するため)
▶︎股関節の動きを鍛える
・骨盤前傾、大腿骨後面と前面の共同収縮ができるか
・CKCでの動作改善
▶︎足関節可動性改善
・距骨の可動性
まとめ
ジュニア世代のアスリートに向けた運動療法についてお伝えしてきました。普段はジュニア世代に関わることは少ないですが、ジュニア世代の運動療法を学ぶことで、運動療法への考え方が一段と深まる感覚を掴めました。ここで学んだことを日々の臨床現場でも活かして行けたらいいですね。
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