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運動は万能薬〜統合的運動生成概念に基づく運動療法〜Vol.4

はやた
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みなさんこんにちは

前回は、筋膜ラインからの運動療法の提供までお伝えしました。

運動は万能薬 〜統合的運動生成概念に基づく運動療法〜Vol.3 みなさんこんにちは 前回は、動きの評価をお伝えしました https://nalu-pilates.com/...

今回は、吉田さんの考える運動を手段とした評価〜治療の概念や運動の可能性についてお伝えしていきます。

  • 運動療法の進め方がイマイチよくわからない
  • そもそも動作から何をみて評価すればいいのかわからない
  • 何を目的に運動をやってもらってるかぼんやりしている
この記事で解決すること
  • 運動から動作分析をして評価することができる
  • 身体の仕組みを理解した上で運動療法を提供できる
  • 運動でクライアントが抱えている問題を解決できるようになる

それではやっていきましょう

運動を用いた、評価~治療の概念

  • 運動から、その人が抱えている筋膜の問題点を評価
  • その筋膜の問題点にあった運動を提供
  • 代償動作が認める場合は、運動負荷を調整
  • 運動学習がされれば完了

大切なのは、ピラティスの概念でもある、study of movement(運動学習)を促していくこと。感覚入力をし、運動という出力を変えていく。

吉田さんの実際の運動の流れ

「腰痛」を例に

  1. 姿勢をチェック(静的・動的)
  2. 脊柱の全体と局所の評価で問題点をチェック
  3. 腰の痛みに関連性の高い動きを推察
  4. 筋膜ごとの評価→問題点抽出
  5. エクササイズ実施
  6. 再評価

痛みに対する運動療法の考え

kinesiophobia(運動恐怖症)

痛みに対する運動療法は非常に効果が高いです。

運動恐怖症(kinesiophobia)に関する論文

Kinesiophobiaは運動に応力とバランス能力に影響を及ぼし、活動量を下げる

Kinisiophobiaの程度が高いと、半年で痛みの重症度が高くなり、QOLが低下することも予測される

首、腕、肩の痛みを抱えて回復しない人はkinesiophobiaが残っている

これらの全ての問題は、生活の習慣つまり、動きのパターンにあります。

痛みの出るような動きのパターンで生活している結果、首や肩や腰に痛みが出現し、その痛みの影響で動くことに恐怖心を抱くようになってしまうという悪循環が生まれてしまいます。

このことからも、実際の運動療法を行うときに、痛みのない動きのパターンを学習してもらうために、運動中の痛みは出さないようにします。よくも悪くも、悪い運動パターンによって痛みが生み出され、良い運動パターンによって痛みがない状態も生み出すことができます。

Pain neuromatrix

ここで、pain neuromatrixの概念を見てみます。

  • Pain neuromatrix
  • 痛みとは100%脳からのアウトプット
  • 痛みとは受け取った情報を処理した結果
  • 組織的なダメージ、器質的な変化があることと痛みがあることは同じじゃない
  • 痛みとは、生命活動における脅威とそれに伴う行為に関するシグナルであり組織のダメージではない
  • 脳に痛みを感じる部位はない
  • 痛みの神経マトリックスは個人により千差万別
  • 意識的な「気づき」がなければ痛みもない

痛みを感じるメカニズムも運動と同じで、感覚を神経組織が統合し、その結果が痛みという形で出力されます。なので、痛みのターゲットは、この感覚→神経→出力この流れのどこかにエラーが生じていると考えられ、それを痛みのない運動感覚を入力していくことで、痛みの出力を無くしていくという流れになります。

運動は、動きだけでなく、痛みも変えられます。

神経は摩擦・圧迫・絞扼で痛みを引き起こす

神経が苦手な3大不足

  1. 酸素
  2. 栄養
  3. 排液

神経に限らず、身体は酸素とグルコースがあっての生命活動なので、神経も身体の原理に基づいています。

神経が、酸素・栄養・排液不足になる原因として、挙げられるのが、

  • 摩擦
  • 圧迫
  • 絞扼

です。

神経はスライドして、スムーズに動くことができます。

しかし、繰り返しの摩擦や圧迫、絞扼が起こると痛みは生じます。

神経が正常に働くためには、

  • 動脈による酸素とグリコーゲンの供給、静脈による排出
  • 神経のエロンゲーション(伸張)
  • 適度なテンション(伸びすぎ、縮みすぎはだめ)
  • 神経内の血流を保つ
  • 圧迫刺激を長い時間受けない
  • 筋膜などによる絞扼を受けない

これが大事です。

まとめると

神経系を正常に(適度なテンションと血流を保つ)

痛みに関連する皮膚神経、末梢神経の走行を理解する(どの方向にスライドするのか理解する)

そして、これらは運動で対処可能

神経の構造

  • 神経上膜
  • 神経周膜
  • 神経内膜
  • 血管

神経はこのように膜組織と血管も存在しています。そのため、末梢の捻りを運動に取り入れて神経の滑走性をスムーズにすることが大事になります。

※ずーっと伸ばしっぱなし、縮みっぱなしはよくない

ストレッチについて

ストレッチは運動の一つの方法ですが、私も含めて、ストレッチに対していい印象持っていない人は多いと思います。

Kokkoennenさんが出した研究では、

膝伸筋群・屈筋群に対して5種類のストレッチングを15秒×3セット行った結果、膝屈曲筋力が7.3%、膝伸展筋力が8.1%低下したことを示した。

つまり、即時的な静的ストレッチは、筋パワーが低下します。

なので、よく、運動前にストレッチはだめなどと聞いたことがある人も多いと思います。

習慣的なストレッチの効果

Kokkonenさんは習慣的なストレッチの効果に対する論文も出しています。

下肢筋群に対して、週3日・15秒×3セット・15種類の静的ストレッチングを10週間行うことにより、柔軟性、跳躍力、ダッシュ力、最大筋力、筋持久力が増加したことを示した。

習慣的なストレッチはパフォーマンスをアップさせることがわかります。

他にも習慣的なストレッチの効果は、

  • 柔軟性UP効果の持続
  • 筋萎縮をそこそこ防止
  • 筋トレの効果向上

です。

ただ、15種類のストレッチを週3日続けるのは、少し現実的ではないかなと個人的には思います。

まとめ

  1. 運動は、身体へのアプローチにもなるし、痛みに対するアプローチにもなる
  2. 体性感覚、前庭感覚、視覚の3つの感覚を運動で入力する
  3. あくまで姿勢評価は1つの指標に過ぎない。動きの評価も併せて行う
  4. 筋膜の分類ごとに評価することで、より体系的に運動を提供できる
  5. 再評価は必ず行う
  6. 自主トレは、ストレッチと筋トレの科学を応用

これを実践するためには、

  • 姿勢からの情報を先入観なしに捉える
  • 代償運動をチェックする
  • 動作分析が的確
  • 筋膜ラインを理解している
  • 運動分析が的確
  • 筋膜ラインを理解している
  • 運動を対象者に対して最適化することができる
  • 運動エクササイズの引き出しを持っている

これらが必要になります。こればっかりは、実践でトライアンドエラーをしていくしかないですね。なんでもそうですけど。日々の臨床でも意識してやっていければと思います。

4回にわたって、吉田さんのnoteについてお伝えしてきました。まだまだ自分の言葉で噛み砕いて説明できないところがあったので、そこは理解していないところだと受け止めて精進していきます。皆さんの臨床の一助になれば幸いです。

ではでは〜

吉田さんのnoteはコチラ👇

https://note.com/pt7/n/n16f81f1d0a29

筋膜の教科書はコチラ

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