筋トレはこの通りにやれば効果が出る〜最新エビデンスに基づいた最強筋トレ法〜
みなさんこんにちは
前回は、筋トレ方程式についてお伝えしました。
今回は、具体的な筋トレ方法についてお伝えしていきたいと思います。
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それではやっていきましょう
準備編
前日の夜から筋トレの準備
睡眠不足は避けるべし
睡眠不足は、筋トレの総負荷量を減少させてしまいます。
研究では、6時間未満のグループと8時間以上のグループと比較した結果が記されています。
さらに、睡眠不足は、筋肉に取り込まれる糖が不足します。また、筋肉に糖を取り込む機能をもつインスリンというホルモンの機能も低下させます。
筋肉に取り込まれる糖が不足すると筋肉が収縮するためのエネルギー源が少なくなるため、総負荷量の減少につながるのです。
睡眠不足の影響をまとめると
- 睡眠時間が6時間未満の人は、総負荷量が減少する
- 睡眠不足は、インスリンの機能を低下させ、筋肉に取り込まれる糖は不足し、総負荷量が減少する(筋トレでは、糖がエネルギー源となるため)
筋トレ前のストレッチはNG
筋トレの前に限らず、「運動前のストレッチは良くない」と聞いたことがあるのではないでしょうか。
ストレッチを筋トレ前に行うと
- 運動回数の減少
- 総負荷量の減少
が認められたのです。
これらの原因は、主に3つ考えられています。
- 筋肉の一部しか働かなくなる
- 筋肉の粘弾性が低下する
- 筋肉が阻血状態になる
いずれの原因も、筋肉のパフォーマンスが低下することにつながるため、総負荷量が減少してしまいます。
有酸素運動→低強度トレーニングの順でウォーミングアップ
有酸素運動で筋肉を温めて、低強度トレーニングによって筋肉の神経活動を活性化させる
これがウォーミングアップに最適ということです。
有酸素運動は具体的に、ジョギングやサイクリングなどを10〜20分行うことが推奨されています。すると、筋肉の温度が3度近く上昇し、筋力や収縮速度が増加します。
低強度トレーニングでは、トレーニングの前に、トレーニングで行う運動と同じ運動を低強度で行うことで、神経活動を活性化させ、トレーニングの総負荷量を増加させることができます。
同じ運動を低強度で行うことで
- 神経活動の活性化
- 脊髄の神経伝導の活性化
- 筋肉内のカルシウムイオンの増加
といった生理的作用が働き、パフォーマンスの向上につながります。
スクワット編
生体力学に基づいた正しいフォーム
ズバリ正しいフォームは、
重心位置が、常に足部の中心(ミッドフット)に位置すること
ジムでバーを使ってスクワットをしている方は、バーの位置によってフォームが変わることを示します。
そして、フォームによって負荷がかかる筋肉も変わってきます。
効かせたい筋肉別のスクワット方法
「膝をつま先より前に出さない」
と聞いたことがある人は多いと思いますが、これは
お尻の筋肉に効かせたい時に通用する文句です。
逆に太ももび効かせたい時が膝をつま先より前に出さないといけません。
整理すると、
- お尻に効かせたい(大臀筋)→つま先出さない
- 太ももに効かせたい(大腿四頭筋)→つま先を膝より前に出す
このほかにも以下のような違いがあります。
- お尻に効かせたい(大臀筋)→体幹前傾深い・股関節深く曲げる・膝は浅く曲げる・足首は浅く曲げる
- 太ももに効かせたい(大腿四頭筋)→体幹前傾浅い・股関節浅く曲げる・膝は深く曲げる・足首は深く曲げる
スタンス幅と足の向きを考える
ズバリ
- スタンス幅は肩幅以上にする
- つま先を外側に向ける
- つま先の方向に膝を曲げる
このフォームでスクワットをすることで、骨盤が大腿部にぶつからず股関節からしっかりと曲がり、大臀筋などの筋活動を高めることができます。
ベンチプレス編
生体力学に基づいた正しいフォーム
- バーベルは肩関節の真上に位置する
- バーベルを下ろす時、肩関節を60〜75度開き、肘は床と垂直になるようにする
バーベルを肩関節の真上に位置させることで、安定したフォームになります。バーベルの重心位置を肩関節の真上に位置させるということです。
バーベルを下ろすときも同様で、肩関節を開き、肘は床と垂直になるようにすることで、バーベルの重心が肩関節及び肘関節の真上に位置し、安定したフォームで行うことができるようになります。
背中のアーチと肩甲骨の動きを考える
背中のアーチを作ることで、
- バーベルの移動距離の短縮
- 肩関節に生じる力を小さくし、怪我予防につながる
これらの効果が得られます。
背中のアーチは、バーベルの移動距離が短くなり、バーベルを挙げるための仕事量を減らすことができます。仕事量を減らすことができれば、単純に回数を増やせることにつながるのです。
また、背中のアーチはバーベルの位置を肩関節に近づけてくれるため、肩関節に生じる力が小さくなります。
肩甲骨は、以下のような動かし方が推奨されています。
内側・下方向に動かす
これには2つメリットがあります
- 広背筋の働きにより背中のアーチを作りやすくする
- 怪我を予防する効果がある
肩甲骨を内側・下方向に動かすことで、肩甲骨と上腕骨の衝突による痛みの発生を回避することができます。
デッドリフト編
生体力学に基づいた正しいフォーム
- 股関節にかかる負担を小さくする
- 体幹の剛性を高める
この2つを意識したフォームが推奨されています。
一つずつ見ていきましょう
股関節にかかる負担を小さくする
股関節にかかる負担を小さくするためには
- バーベルを足部の中心(ミッドフット)に置く
- 股関節の高さは、頭部と膝関節の真ん中に位置させる
この2つを意識することで、1番効率よく、筋力を発揮できるようになり、股関節の負担が小さくなります。
体幹の剛性を高める
股関節を伸ばす筋肉の力を、バーベルを持ち上げるために伝達するのが体幹になります。
体幹の剛性を高める役割は「広背筋」が担っています。そして、この広背筋の収縮効率が最も高くなる方法が
- 肩関節をバーベルよりも前方に位置させる
- 股関節の高さを頭部と膝関節の真ん中に位置させる
です。
効果を最大化するリフティングとは
バーベルを垂直に挙げること
これが1番重要です。
そして、バーベルを垂直に挙げるために重要な3つの要素が
- 膝関節を伸ばしながらバーベルを持ち上げる、体幹の前傾角度は変えない
- 股関節を前方に突き出すように伸展させながら、体幹を起こす
- 肩関節、股関節、膝関節が同一直線の並ぶように動作を終える
です。
ポイントは、広背筋や脊柱起立筋を含む背筋の筋活動を一定にすることです。あくまで、背筋は体幹の剛性を高めて力を伝達することです。
筋トレ後のケア
よく運動後にクールダウンをするというのが定番化されていますが、実際のところ、効果を実証する十分な科学的根拠は現時点では得られていません。
代表的なのは、
①✖️ 疲労が取れる
疲労は乳酸からではなく、水素イオンの蓄積によって筋肉が酸性(アシドーシス)になることが要因とされている
クールダウンにより乳酸の除去効果は期待できますが、筋肉の酸化を防いで疲労回復効果できるというエビデンスは存在しない
② ✖️ 筋肉痛が減少する
③ ✖️ 脳疲労を改善する
④ ✖️ からだが柔らかくなる
⑤ ✖️ 筋力を回復させる筋グリコーゲンを合成できる
⑥ ✖️ 心拍数、呼吸数が回復する
⑦ ✖️ 心理的ストレスや睡眠量を回復させる
つまりクールダウンに現在のところ有効性はないということです。
ここまで、具体的な筋トレ方法についてお伝えしてきました。
本の中では、根拠となる研究が紹介されているので、気になる方はぜひ見てみてください