PHI Pilates JAPAN FESTA2021 MSIのイントロ
皆さんこんにちは
今回は、MSIについてお伝えしていきます。MSIってなんだっていう人もいるかと思いますので、導入部分から説明していきますね。
動きをみて評価→治療までの繋げ方がわからない人
ピラティスのエクササイズをどんな流れで行えばいいかわからない人
ピラティスを臨床へ繋げるのがわからない理学療法士の人
動きからクライアントの悩みの原因がわかる
ピラティスを使った機能不全へのアプローチ方法がわかる
ピラティスを臨床へ活用できる
それではやっていきましょう
学習目標
- 理学療法士の専門とするシステムを理解する
- 病理運動学的モデルと運動病理運動学的モデルの違い
MSIの概念
pilatesでよくみられる運動機能障害のパターンのこと
Movement system(運動系)
→神経・筋・骨格から成り立つ。個人的にはこれだけでは不十分。身体・神経・環境の3要素を統合的運動生成概念では提唱している。運動はシステムから成り立つ。
理学療法士の専門分野とは?
運動系 複雑系 を専門とするのが理学療法士です。医師が診断するように、PTも運動系に対する診断(評価)した上で、治療を行うべきですよね。
システムから理解して治療していくことが必要。アメリカでは痛みがバイタルに加えられているため、鎮痛剤の依存がすごい。医学的診断+運動系の診断が必要だと思いません?
理学療法士も評価をして、運動系の診断をしていきましょう。これがいわゆる患者一人一人の評価だと思います。
病理運動学的モデルと運動病理学的モデル
病理運動学的モデル
・・・外傷・疾患→バイオメカニクス→組織の疾患が運動に影響を及ぼしている
例)骨折免荷による変化、脳梗塞に伴う変化
しかし、これだけでは説明できない。
運動病理学的モデル
・・・日常生活での持続的アライメントや同じ動きの繰り返し、活動量、相対的な柔軟性や硬さ、最小抵抗の軌道、関節副運動の過剰運動性などから組織の適応が起こり、その結果、ミクロからマクロの外傷となり、MSI症候群となる
同じ動きでも、その人その人の反復してる動きやどんな姿勢しているか。身長の違い(胴長、短足の人とでは動き方が違う)など個人の特性が組織の適応を促す。
最小抵抗(楽な動き方)、相対的な硬さ、神経系が考慮されてこれらがバランスよくできていれば怪我はしなくなる。手技というよりもその人の運動を理解するために、MSIを活用するイメージです。要は概念ですね。
MSIって何?
運動系機能障害症候群(Movement System Impairment Syndromes)
- MSIは筋骨格系疼痛に関する症候群
- 具体的な治療法ではなく、概念を学べる
- 運動系の問題を解決するための枠組み
- 具体的な治療法ではなく、概念
- 治療を効果的にするための、診断システム
- 痛みの原因を理解するシステム
- 痛みを引き起こしてしまう方向の診断名がつく
例)腰椎伸展症候群
治療テクニックに到達する前のところを勉強する
結構ハンズオンの動きが多いのが特徴です。
下肢の運動検査の流れ
問診と立位アライメント(仮の分類)を見た段階で、仮説をたてて、そこを運動検査で明らかにしていく
それぞれの動きを患者の
- 一次検査:自然なパターン
- 二次検査:修正を促したパターン
両方でみる
機能的活動を問診である程度理解することが重要。実際どういうふうにそのタスクを行なっているのかを理解することが大事。なぜ腰が痛いのがわかりやすく伝える。自分だけ痛みの原因がわかっても意味がないので、クライアントに説明してあげる。エクササイズを伝えるだけでは、長続きしないし、やってももらえない。その場のセッションなんて1日のうちのせいぜい数時間。1日を通してうまく体をつかえているのかの方が重要。
症状が出た場合に二次検査で修正したパターンで行う
→評価が終わった時に楽になっているのは、二次的検査で修正パターンで行なっているから
全体的なパターンを把握する。どの症例でも同じような評価を行うことで全体像を把握できるようになる
症例を通してMSIを理解する
クライアント情報
- 格闘技と読書が趣味
- 格闘技はできていない
- 長時間立位、片付けで左腰背部痛
問診〜アライメント
- 非対称性、長時間同じアライメントでいる、活動レベルのアップで症状悪化
- 非対称(骨盤とか足部、大腿骨)とスウェイバック
- 動きが前屈時に症状が著明→屈曲の問題があるなとわかる
- 腰椎から動き出す→どこから動き出すのかが重要
下肢の動きが脊椎にどのような影響を及ぼすかをみてほしい
後捻が組織の適応に影響を及ぼしている。側臥位の時はどういうふうに寝ているか聞く
どういう風にその動きにたどり着いているかをみる
大腿筋膜張筋の過使用
運動検査
- 一次検査では自然な動きで見る
- その後に修正パターンでみる
股関節の回旋見るときもポジションを変えてみてみる
例)股関節外転位とかでTFLの緊張緩めた中で、クレイグテスト
あくまで大腿骨の捻れしかわからない。寛骨臼の角度はわからない
なんでその動き方になるのかが1番重要
機能的活動の評価
デスクワークの様子
→仕事から作家まで同じ感じで過ごしている
歩行の様子
→後捻のせいで代償的に腰椎が動いてしまう
- パフォーマンスが良くない
- 下肢の運動時に腰椎のグラグラ
- スウェイバックでの立位臀筋の筋の収縮しにくさ→TFLの硬さにつながる
- 腰椎屈曲位で常にいる
運動系の診断と関与因子
診断:腰椎回旋症候群
- 大腿骨の後捻
- 筋パフォーマンスの制限
- 硬化:TFL
- 下肢の運動中に腰椎回旋の動きが優位(動き出しが早い)
- スウェイバック:臀部の収縮は入りにくい
- 腰椎屈曲位で長時間座位
- 歩行や階段昇降での骨盤下制(腰椎回旋)
治療方針
- 日常生活を通して、腰椎が股関節よりも早く動く
- 安定性のない局所で症状が出やすい
- 治療は、腰椎の回旋を制御しながら、機能的活動を行えるようにすること
- 意識しないと、最小抵抗の軌道を通って痛みを生じる運動パターンが続いてしまう
セルフケア指導
機能的活動の指導
立位・座位姿勢の修正
歩行時に骨盤に手を添える
セルフフィードバックで気付きを与える。
例)腰に手を当てる
MSIの他の例
バレリーナ
- 背屈制限→膝で代償している
- 左膝の痛み片脚立ちの時
- 回旋の代償で疼痛
運動系(身体システム全て含めて)のスペシャリスト
身体は最小抵抗で適応していく
→いずれは不良パターンが組織の病理をもたらしてしまう
オンラインで評価するときのポイント
ハンズオフでの評価がどれだけできるか
動き方、どんな姿勢をしているのか
スクリーンを通してどれだけわかるようになるか
動いている時のシェイプが大事
シェイプの仕方
やってることはシンプルであるが、得られる情報をいかに多く捉えられるかが重要
まとめ
やってることは意外とシンプルだったりします。要は、シンプルな動きからどれだけの情報を抜き取れるかが重要になってきますね。
ではでは〜
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