体脂肪はこうやって減っていきます〜栄養コンシェルジュ #11〜
みなさんこんにちは
前回は、基礎代謝と体脂肪がどうやって増えるかについてお伝えしました。
今回はその続きの、体脂肪がどうやって減っていくのかについてからお伝えしていきます。
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エネルギー代謝
⑦体脂肪はどうやって減っていくのか
体脂肪は全身に存在する脂肪細胞の中に入っています
脂肪細胞は全身で同時に新生しないことから大きさは不揃いです
糖質や脂質をたくさん取り込んで大きく肥大したものから、新生されたばかりの小さなものまであります
過剰に肥大した脂肪細胞よりも中サイズ以下の脂肪細胞の方が分解されやすいため、ダイエットを開始すればすぐに小さくなっていきます
しかし、過剰に肥大した脂肪細胞の縮小速度は遅いため、停滞感を感じる時期がきます
この時、ダイエットを諦めて食べすぎると、小さくなった脂肪細胞がまた膨らんでしまい、リバウンドしてしまいます
脂肪が燃焼されて、脂肪細胞が小さくなると、再び食欲抑制ホルモンが効き始め、空腹感も無くなります。したがって、ダイエット開始時は空腹感を感じますが、体脂肪が減ってくると空腹感は消失してきます
ダイエット中に肝臓内のグリコーゲンが枯渇してしまうと、基礎代謝が低下して減量の停滞感が起こります。
肝グリコーゲン枯渇の兆候は、睡眠がしっかりととれているにも関わらず15時〜17時頃の急激な”眠気”があります。
これらをヒアリングで確認して認められた場合には、翌日の昼食のカテゴリー1を大盛りにするなど、しっかり食べることで肝グリコーゲンが満タンになり、基礎代謝低下をリセットすることができ、また減量していくことができます。
ちまたでは、”チートデイ”とも呼ばれていますが、肝グリコーゲンの回復のためのカテゴリー1の摂取が大切です。
⑧食品のエネルギー
食品のエネルギーは、密閉された個室で、一定量の食品を燃やしたときに消費された酸素の量と産生される二酸化炭素の量で測定されています
消費される酸素が多くて、出てくる二酸化炭素が多いということはそれだけ高エネルギーです
一般的に、食事からの摂取すべきエネルギー量は1日分として設定されますが、身体は一回で処理できるエネルギーと栄養量に限界があります
摂取された三大栄養素は、全身でエネルギーになるだけでなく、肝臓でグリコーゲンとして貯蔵されます。肝臓では、最大「約7時間分(状況によって変化)」を貯蔵できます
貯蔵される以外の栄養は、骨格筋や他の臓器で個人差はありますが、一定量が利用されます。
1食で貯蔵量と一定の利用量を越えた栄養(エネルギー)は、糖質と脂質は体脂肪へ、タンパク質は分解されて尿へ排泄されます。
したがって、もしも1食で1日分のエネルギーや糖質、たんぱく質、脂質を摂取したら確実に太ります。例えば、1日2000kcalを必要とする人が1食で2000kcal食べたら、貯蔵量と利用量を超えた栄養は体脂肪として貯蓄されます。その後、食事を摂らなくても、体内エネルギー不足の場合は、
グリコーゲン→筋タンパク分解→体脂肪の燃焼
という順番が守られるために貯蓄された体脂肪はなかなか分解されません。1日分を2食で食べても同様です。
これが太るのは簡単ですが、痩せるのは大変な理由です。
1食のエネルギーと食事と食事の間隔の目安は、1日24時間、睡眠時間約6時間を引くと18時間、それを3食で割ると6時間となり、これは肝臓の貯蔵限界である7時間以内となります。
したがって、約6時間に1食を目安に、1日に必要なカロリーを3分割して3食食べることが最も体脂肪を蓄積しない食生活となります。
3食以上に分割する食べ方はどうでしょうか?
1日摂取エネルギーは守っていても、4回、5回と食事回数を増やせば増やすほど、食べたものが優先的に利用され続けて、現在蓄えている脂肪が燃焼されることがなくなってしまうので痩せにくくなります。
実際に食欲がなくなって痩せていく高齢の方や食事不食の方の治療では、4回や5回に食事を分割する食事療法を行い、体重を維持したり増やしたりします。
約6時間間隔での3食は最も健康管理が行いやすい食べ方と考えられます。
⑨カロリー計算にこだわりすぎない
例えば、カテゴリー1とカテゴリー2ではカロリーが同じでも体内での使われ方が全く異なります。
米飯のみで1800kcal、豆腐のみで1800kcal、果物のみで1800kcalでは全く異なり、同じカロリーだと果糖を含む果物はデンプンである米飯より約3倍も体脂肪に代謝されやすい性質があります。
一方、豆腐のたんぱく質は体脂肪になりません。しかし、糖質のようにインスリンを分泌できないことから骨格筋や神経細胞が疲弊します。
しかし、米飯などからデンプンを過剰に摂取すると、肝臓や骨格筋へのグリコーゲン、エネルギー消費量を超えるため、体脂肪が増加します。
以上のように、カロリー計算のみでは、食品の生理機能まで考慮できません。
食事管理では、食品カテゴリーを考慮して生理機能別に食品を選択できることが基本で、さらに厳格に食事管理する場合にカロリー計算を加えると良いでしょう
カロリー計算は上級者の食事管理方法とも言えるため、栄養管理をカロリー計算から始めたり、指導の中心にしたりすると、相手にとっては、
「食事管理は難しい」
と感じさせてしまい、諦めてしまうかもしれないので注意が必要です。
食品カテゴリーマップを用いて食品カテゴリー管理がうまくできると、食品エネルギーは適正範囲に入ります。
カロリー計算しなくても、体重が増えてきたら現在より過去の食生活がカロリーオーバーだったという証拠になります。反対に体重が減れば、食生活が減量に適した食事であった証拠です。体重が変化しない場合は、現体重を維持するカロリーを食べていた証拠となります
- 体重を測定する(可能なら朝食前で排便後)
- 過去を振り返る
- 必要に応じて食事を調整する
- ①〜③を繰り返す
これが持続的な体重管理のポイントとなります。
体重は水分摂取、服装の影響を受けるため、早朝空腹時(可能なら排便後)の体重測定が安定します。