2022年最新版 理学療法士必読書 3選
みなさんこんにちは
今回は、理学療法士5年目を迎えた私が考える、理学療法士必読書をお伝えしていきたいと思います。誰もが知っている書籍ではないと思うので、是非みなさんの臨床の一助になればと思います。
このコラムは
- 理学療法士
- 理学療法士学生
- 人の身体に関わる仕事をしている方(インストラクターやトレーナー)
それではやっていきましょう
運動の成り立ち
1冊目はこちら「運動の成り立ち」です。
こちらの書籍は、いろんなコラムでも登場してきているのですが、私のリハビリの根幹を成しているいわばバイブルとなっております。私はこの書籍を1年目の終わりのちょうど3月くらいに初めて読み、リハビリに対する視点が180度変わるくらいの衝撃を受けました。また、この書籍の特徴は、学んだことのある、解剖学・生理学・運動学・物理学などが臨床に直結するようにまとめてあるところです。学生の時は、国試のために勉強していたと思っていた解剖生理運動学が臨床では、こんな風に活用していくのかとまさに目から鱗でした。「運動の成り立ち」というタイトル通り、運動についての記載も多くされており、そもそもの運動の定義から始まります。みなさん運動の定義を考えたことありますか?初めに運動の定義を知ったときは、いまいちピンと来なかったのですが、今では、少しずつ運動の定義がわかるようになってきました。ここでは、少しだけ運動の定義についてお伝えしますね。
これが「運動の成り立ち」で定義されている運動の定義です。どういうことなのかわからない人のために、運動の成り立ちで学ぶことができる、統合的運動生成概念についてお伝えしているコラムがありますので、ぜひそちらをご覧ください。
この「運動の成り立ち」では、リハビリ関係の書籍で多い手技系の内容ではなく、ガッツリ理論が詰まっている内容になっております。1冊丸ごと理論づくしなので、1年目の理学療法士の方や若手の理学療法士の方には少し難しいと感じる方もいらっしゃると思いますが、何度も読み進めていく内に、段々理解してくるので、何度も読むことをおすすめします。また、読んでいるだけではよくわからないという人には、セミナー受講もオススメです。オススメのセミナー・講習会に関しては、また別のコラムでお伝えしますが、この「運動の成り立ち」の内容をセミナーで詳しく勉強することができます。講師は、この統合的運動生成概念を提唱している舟波真一さんをはじめとする多くの理学療法士の方達です。決して、安くはない値段ですが、私の一個人の意見としては、受講してよかったなという印象です。「運動の成り立ち」の内容を理解することで、この世の中の原理原則が理解できるし、原理原則を理解できていれば、他の手技系の本質を理解することができます。何度も言いますが、「運動の成り立ち」は運動の本質、私たちが暮らしている宇宙・地球の原理原則を臨床の関連づけて学ぶことができます。本質を勉強することができるので、今後の理学療法士としてはもちろん、運動・身体に関わる者として、理解していて損はない内容となっております。みなさんの臨床の一助となれば幸いです。
理学療法・作業療法のための実践編 BiNI approach
続いて紹介するのは、「BiNI approach」です。
こちらは、「運動の成り立ち」でお伝えしている統合的運動生成概念に基づいたアプローチ方法を紹介している書籍となっております。先ほど紹介した「運動の成り立ち」はいわば、”運動のコンセプト”が書かれており、「BiNI approach」は運動のコンセプトに基づいた”方法論”について書かれているというような分かれ方をしております。なので読み進め方としては、「運動の成り立ち」→「BiNI approach」というような手順で読まれるといいかと思います。
「BiNI approach」では、アプローチという名の通り、統合的運動生成概念に基づいたアプローチ方法が紹介されています。その中には、そんなことを考慮して、そんな風にアプローチしていくのかということや、そもそもの自分達が行っていたリハビリって実際は意味のないものを提供していたのかと痛感させられました。従来行っていたリハビリの影響も解説されているため、すごく腑に落ちる内容となっております。
一つだけこの書籍の懸念点をあげるとすると、アプローチ内容はいわゆる手技となるため、実際の臨床現場に活かすためには、書籍の内容を読むだけでは不十分だなと感じました。解決方法としては、
- 講習会に参加する
- 講習会に参加したことのある先輩に教わる
この2つかなと思います。手技は技術面のため、1人で練習しても上手くできているのかわからないと思います。手っ取り早いのは、講習会にいくことですが、講習会は結構なお金がかかってくるので安易に行った方がいいとは私からは言えません。私が講習会に参加したのは2年目の時であったため、働いたお金は全て自分のために使えました。さまざまな境遇の方がいらっしゃると思うので、ここでは絶対に講習会に参加しろとは言いません。ただ、参加した感想を一言でいうと「受講しなかったら、後悔していた」です。直接実技を行うことで、理解できてくる部分も多々ありました。お金が捻出できる方は、受講することをオススメします。自分の周りに受講したことがある人がいるなら、その人に教わりましょう。教われればそれに越したことはありませんね。
動きの捉え方
最後にお伝えするのは、「動きの捉え方」です。
名前の通り動作評価についての書籍となっております。新人理学療法士の方や若手理学療法士の方は、動作分析や動作評価と聞くと、苦手意識を持っている方は多いのではないのでしょうか。私自身も動作分析は苦手意識を持っていました。しかし、この書籍で動作の見方を学ぶことで、動作評価に対する苦手意識を払拭することができました。学生時代に習った動作分析は、立脚中期の時に~筋の筋力低下がとか、踵接地時の足関節背屈角度が~度足りていなくて、クリアランスが低下しているなどと、各動作の相ごとのアライメントから分析し、他の評価結果と照らし合わせながら、問題点を抽出していくというやり方を教わっているかと思います。また、動作分析をするために動画撮影をし、その動画を何回も見て、歩行の相ごとに一時停止をし、相ごとのアライメントがどうなっているのかを分析したという人もいるのではないでしょうか。もちろん相ごとにどんなアライメントになっているのか分析することが悪いとは思っていませんが、ひとつ気になる点があるとすれば、
「時間がかかる」
これに尽きると思います。回復期の入院患者さんであれば、動画で撮影して、それを後からゆっくり分析して翌日以降のリハビリのヒントにしていくということもできるかもしれませんが、整形外科クリニックやコンディショニング施設等に勤務されている方は、1回のリハビリ時間がそもそも20分だったりと少ないです。その少ない時間の中でいかに”素早くかつ正確な動作分析”ができるかというのが大事だったりします。この素早くかつ正確な動作分析を可能にするのが、この「動きの捉え方」という書籍となっております。
動作分析の共通する観かたをお伝えしたいと思います。
- ボーっと観て探る(固定部位・過剰運動部位)
- 動きのリズムはよいか
- 軽やかな動きか
- 球関節は機能しているか
- 始まりと終わりを注意深く観察する
どの動作を観る時も、この5つのポイントが共通の観かたになります。
書籍では、基本動作となる寝返り・起き上がり・立ち上がり・歩行といった動作別の観かたが詳細に書かれています。
ぜひ動作分析に難渋している方は一読いただけますと一助になるかと思います。
まとめ
以上3冊の書籍を紹介させていただきました。この3冊の書籍の著者編集者は全て統合的運動生成概念に基づくBiNI Approachを提唱しているBiNI COMPLEX JAPANの舟波先生と山岸先生が携わっている書籍です。今までにないような概念のため、最初の方は抵抗があるかと思いますが、一度体験すると、その時から臨床が変わります。日頃の臨床で悩んでいる人はぜひ一度手にとってみてください。目の前の患者さんの未来が変わるかもしれません。
ではでは^^