理学療法士4年間過ごしてきて今思うこと 1年目編
みなさんこんにちは
今回はこの春で理学療法士5年目を迎えたので、これまでの理学療法士として過ごした4年間を振り返ってみたいと思います。
少しでもこれから社会人、理学療法士として働く人の参考になれば嬉しいです。
今回のコラムは
- 春から理学療法士として働き始める人
- どう勉強していけばいいかわからない1年目~3年目の若手理学療法士
- 理学療法士としてのやりがいが感じられない人
それではやっていきましょう
4月 理学療法士人生のスタート
理学療法士1年目は一言で言うと「社会人と国試勉強」の1年でした。
社会人はその言葉通りで、今まで学生だったのが、急に社会人として働き始めたわけで、それは物凄い環境の変化でした。いまだに初日のことを覚えていますが、初出勤日は本当に緊張しました。病院だったので、企業などの初日とは大きく異なるのかなと思いますが、病院のスタッフ100名近くがリハ室に集まり、そこで自己紹介をしました。大勢の中で挨拶するのは流石に緊張しました。これからこの病院で患者さんのリハビリをして、患者さんの身体を良くするんだと意気込んでいました。
初めの頃は、研修と先輩の理学療法士の臨床の見学がメインでした。私が就職した病院は回復期リハビリをメインに行っている病院で、実習ではあまり回復期の患者さんを見たことがありませんでした。なので、日々の患者さんがどんどん良くなっていく臨床の見学がすごく楽しかったのを覚えています。毎日の先輩理学療法士の見学で先輩の臨床技術を盗んでやろうと思っていました。しかし、見学を始めて、違和感を覚えました。一部の先輩理学療法士以外の先輩のリハビリを見学していると、どの患者さんでも同じリハビリ内容を行なっていました。いわゆるルーティンのリハビリですね。リハ室に連れてきて、ベッドに寝かせて、マッサージとストレッチ、寝たままの状態でのキッキングなどの筋トレ、立ち上がり、歩行、階段昇降などの動作練習といったような一連の流れでリハビリをどの患者さんでも同じように行なっていました。これに気づいた時に、「ああ、この先輩たちの真似をしていたら、患者さんを良くすることはできなくなってしまう」と危機感を覚えました。しかし、その中でもこの先輩は尊敬できるという先輩が何人かいらっしゃったので、その先輩方の臨床を見学したり、話を伺ったりしました。
5月 初めての脳卒中患者さんの回復期リハビリ
見学を始めて1ヶ月が経った頃、ついに実際の患者さんのリハビリをさせていただけることになりました。先輩が担当している患者さんですが、初めてリハビリを提供するということでこれまた緊張しました。実際に患者さんを目の前にすると、何をしていいのかわからず、とりあえず見よう見真似で先輩がやっていることを同じようにやりました。でも、先輩の真似事をしているだけでは、患者さんが良くなるわけはなく、どうしたものかと悩みました。リハビリさせていただいてる方は、脳血管疾患の方でした。回復期の脳血管疾患の方のリハビリは実習でも経験したことがなかったので、本当に何をやればいいのか全くわからない状況でした。そこで私とった行動は、
参考書を読むことでした。
ちょうどその当時、「脳卒中の動作分析」という脳卒中のリハビリのバイブルともいえる書籍が発売する頃でした。私は、見つけたその日に即購入しました。
この「脳卒中の動作分析」については、また別のコラムで詳しくお伝えできればと思います。ここまで脳卒中の動作パターンや神経学的な内容について記載されている書籍は他にないなと思います。新人さんや若手の理学療法士の方にはおすすめです。
参考書を読んでその内容を実践はしてみたものの、実際の患者さんを目の前にするとなかなかうまくいきませんでした。正直、その当時担当していたスタッフも上手くリハビリは進んでいなかったなと今思うと、感じます。今でも順風満帆なわけではないですが、昔と比較したら間違いなく、患者さんは良くなっていっていると自負しております(笑)
今だから言えますが、何をやればいのかわからない人は、「わかる人に聞く」これが1番です。今も自分の患者さんでわからないことがあると「わかる人に聞く」を実践しています。結局これが1番強い。もちろん自分で調べることも大切なんですけど、自分の力で患者さんをよくしようなんて、セラピストのエゴは全くいらないのです。患者さんが笑顔になってくれればなんでもいいのです。これに気づけたのは2年目の後半になってからなのですが。もちろん自分で色々調べることは大事なのですが、今担当している患者さんは「今」」良くなってほしいのです。自分で勉強しながら、患者さんが良くなればそれに越したことはありませんが、多くの場合は自分だけでは解決できません。なので、1番の理想は、「自分で調べながらわかる人に聞く」これです。これが自分も成長できるし、患者さんも良くなります。
6月 初めての患者を担当
初めて担当した患者さんは外来患者さんでした。結論から言いますと、患者さんを良くすることはできませんでした。腰の疾患の方でしたが、痛みも取れず、歩行もままならず、最終的にはリハビリに来なくなってしまい、初めて担当した患者さんのリハビリは終了しました。いきなり挫折を経験したということになります。今ならもっと違う関わり方ができたのではないか、もっと他にやりようがあったのではないかという思いは、患者さんとのリハビリが終わった今でもつきません。当時の自分としては、精一杯患者さんと向き合ったつもりでしたが、今思うと、もっとできることがあったなと反省する日々です。個人的には、この反省は悪いことだとは思っていないです。反省は、新人だろうが、4年経った今でも変わらずしていますし、自分の中で振り返ることで、何がいけなかったか、どうすればよかったのかが見えてくることもあります。そうして成長していくこともあると思います。これは完全に持論ですが、自分のリハビリを振り返らなくなった瞬間そこでその人の成長は止まると思います。リハビリは技術職だと思っているので、技術の向上に終わりはないと思っています。現状の自分に満足し、自分のリハビリの反省をしなければそこに成長はないと個人的には考えていますので、これからも日々の自分のリハビリを振り返る習慣を欠かさずやっていきます。
7月 初めての入院患者さんを担当
7月に入ると、入院患者さんを担当し始めました。入院患者さんでは、1日最大9単位を取得するということで時間にして3時間ほど。1回のリハビリの時間が1時間ほど。言い方は良くないですが、患者さんのリハビリを1時間行うということに慣れていなかったため、初めは1時間もたすのがやっとでした(笑)。こんなこと言っていたら患者さんに失礼ですが、当時の私は、患者さんをよくすることは二の次になってしまい、いかにして1時間リハビリを提供するかということに注力していました。回復期リハビリに従事している方なら共感していただけると思いますが、1人の患者さんを1日3時間リハビリするというのはなかなか慣れないと正直しんどいです。脳血管疾患の方のリハビリであれば、ほとんどの場合理学療法・作業療法・言語療法と3部門リハ処方が出るため、1日1時間~2時間程度のリハビリを担当します。しかし、理学療法のみの処方ですと1日3時間リハビリを担当することになるため、3時間リハビリを提供できる能力がないとしんどいです。特に新人の頃は入職したてで、右も左もわからなかったため、1時間間をもたせることで精一杯でした。
まとめ
今回は1年目の4月~7月までの振り返りをお伝えしました。振り返ってみると今でも鮮明に覚えているんだなと改めて実感することができ、少し懐かしい気持ちにもなりました。5年目を迎えた今でも、初心を忘れずに、患者さんと向き合っていきたいですね。
ではでは~^^
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