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【ROLG】ふくらはぎの痛みの原因は血液の循環だった!?

はやた
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みなさんこんにちは

今回はリハビリログということで、リハビリの様子についてお伝えしていきます。クライアントは、ふくらはぎの痛みを取りたいという訴えが聞かれています。ふくらはぎの痛みの原因は一体なんなんでしょうか。

今回のコラムは

こんな人におすすめ
  • 理学療法士
  • 新人理学療法士
  • ボディワーカー

それではやっていきましょう

症例紹介

クライアントは、友人のお父さんです。ばあの孫が私の友人でその友人のお父さんなのでばあの息子です(笑)複雑ですね。

以下に簡潔にまとめてみました。

  • リハビリ日時:2022/3/27
  • 主訴:「ふくらはぎが痛くて走れない」
  • 医学的診断:アキレス腱炎
  • 身長・体重・BMI:163cm・70kg(12月から4kg増)・BMI26.4
  • 職業:夜勤の倉庫業務(週5)
  • 運動歴:ランニング、プールで泳ぐ(各ほぼ毎日)
  • 嗜好品:お酒(毎日700mL程度)
  • 現病歴:去年の暮れからふくらはぎの痛みが強くなり日課のランニングを中断。整形外科にてアキレス腱炎の診断を受ける。そこから現在までランニングはしていない。

こんな感じでふくらはぎの痛みのせいでランニングができないというクライアントの訴えです。ここから原因を探るべく評価を進めていきました。評価結果を以下にまとめます。

評価

問診

Q ふくらはぎの痛みが出現したのはいつからか?

A 去年の11月頃から痛みが出始めた。あぐらがかけないくらい左膝が痛くなってレントゲンを撮っている。構造的な異常はなし。12月には車から降りるときに足が重だるかった。12月から走っていない。

Q ふくらはぎが痛くなってからの医療機関の受診歴?

A 週2回低周波療法とマッサージを接骨院で受けている。鍼灸を2~3回やった。どれも時間が経つと痛みが出てくる。

Q ランニングはどのくらいの頻度・距離を走っていたか?

A 去年の11月までは2日に1回の頻度で10km走っていた。週一でサウナに行っている

痛みの評価

  • 両側のふくらはぎをつまむと痛い(特に踵にちかいところ)
  • 安静時痛(ー)
  • 歩いているときに痛みまでいかないけど違和感がある
  • 床から立ち上がるときはおっかなびっくり立ち上がる
  • ここ1~2週間で腰が重だるい

歩行評価

  • 歩いている時の痛みはなし
  • 右足が特に違和感、左膝も若干違和感
  • 左右動揺(+)特に右立脚期で著明
  • 股関節の動きほぼなし

立ち上がり評価

  • 股関節動きなし
  • 膝のロッキング
  • 足関節の背屈制限

寝返り評価

  • 下肢の動き・追従なし
  • 伸展パターン
  • 左への寝返りの方が行いにくい

その他評価

・座位法則性 肩甲骨逸脱、腸骨稜正常

・立位法則性 肩甲骨逸脱、腸骨稜正常、舟状骨フラット

・並進バランス 両側低下(右優位に低下)

歩行後の並進バランス さらに低下

右足部(つまむと痛いところ)タッチ後 さらに低下

・Nerveテンション

左右ともに引っかかり

特に伏在神経、脛骨神経、腓腹神経で引っかかり

統合と解釈

ざっと評価結果はこんな感じ。

アキレス腱炎という診断がされていますが、評価結果と照らし合わせても下肢末梢に問題がありそうな印象でした。並進バランステストをアキレス腱部周囲のつまむと痛いところをタッチしてから行うと、著明に低下していました。また、つまむと痛いところは静脈の血管が浮き出ていました。血管が浮き出ていることを指摘すると、なんと下肢静脈瘤を患っているとのこと。この話を聞いた時これだと思いました。下肢静脈瘤について聞くと、数十年前から診断されているとのことでした。

試しに、仰向けで下肢を挙上させてからつまむと痛いところを再度つまむと、痛みが軽減しました。さらに、並進バランステストも向上しました。しばらく、座位のまま経過すると痛みが戻り並進バランステストも低下しました。

以上のことから、アキレス腱炎と下肢静脈瘤に伴う、末梢の循環不全が痛みにつながっているのではないかと予測しました。動作パターン的にも股関節の可動性が少なく、末梢で代償するようなパターンのため、ふくらはぎの負担は元々高かったのではと考えられます。今までは代償できていたが、運動負荷に耐えられなくなりアキレス腱炎を起こし、ポンプ作用で末梢循環の代償ができなくなり、末梢の循環不全が生じ痛みにつながったというストーリーを導出しました。

そのため、アキレス腱部周囲の結合組織の硬度を改善させ循環を改善させる介入を行うことにしました。

治療

まず、治療姿勢ですが、循環をよくするために腹臥位で行いました。特に、身体後面の循環が悪くなっているため、腹臥位にして重力の力で循環が良くなるようにしました。

膝をほぼ90の屈曲位にして、アキレス腱部周囲の硬度が高いところに対して感覚入力を行っていきました。ほどけてくるまでだいぶ時間がかかりましたが無事に取り切れました。すると、治療前に浮き出ていた静脈の血管がだいぶ薄くなりました。

再評価

痛みの評価

両側のふくらはぎをつまんでも痛くない

歩行評価

歩いている時の痛みはなし

違和感消失

左右動揺(ー)

股関節伸展の動き出てきた

立ち上がり評価

股関節動きでてきた

膝のロッキング消失

足関節の背屈可動域↑

寝返り評価

下肢の動き・追従得られてきた

左への寝返りがしやすくなった

その他評価

・座位法則性 肩甲骨フラット、腸骨稜正常

・立位法則性 肩甲骨フラット、腸骨稜正常、舟状骨正常

・並進バランス 両側ともに正常

歩行後の並進バランス 正常

右足部(つまむと痛いところ)タッチ後 正常

・Nerveテンション

左右ともに引っかかり改善

特に伏在神経、脛骨神経、腓腹神経の引っかかり改善

後日談ですが、介入してから2週間後に会うと、治療効果が持続しており、痛みは出ていませんでした。再度評価すると、腹圧も低下しておらず下肢の結合組織の硬度も良好な状態でした。下肢静脈瘤の硬さはとれていたので、次はアキレス腱部の硬度改善を行うとさらに状態は良くなりました。現在は、痛みに注意しながらランニングも再開できているみたいです。

まとめ

今回は、痛みの原因が下肢静脈瘤によって引き起こされていた症例でした。段々と評価と治療の精度が上がってきたのでこのまま精進していきたいと思います。ではでは〜^^

評価・治療の考え方の参考はこちら

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