【Rlog】腰痛の原因は肺にあった?
みなさんこんにちは本日は神同期によるRlog(リハビリログ)をお伝えします。前回に引き続き腕の痺れと腰痛に悩んでいる後輩くんに対するリハビリの評価治療についてお伝えします
このコラムは
- 理学療法士
- 新人理学療法士
- 若手理学療法士
それではやっていきましょう
評価
現在の主訴
前回は側弯部位の治療を行い、腰痛に対しては即時効果はありましたが、神経系には効果は得られませんでした。あれから1週間ほど経過した現在の後輩くんの身体の状態は
- 両腕痺れ(安静時なし。治療姿勢をとると出現)、肘の局所的な痺れもあり
- 腰痛
- 歩行時の両膝の抜ける感じ
問診
まずは問診です。2日前にゴルフにいったそう。
ゴルフの翌日は疲労感があっただけだったのが、今日朝起きた時に両腕の痺れに気づいた。その痺れは、1日中ある訳でもなく、起床時に出現しただけ。勤務中は特に気にならなかったが、痺れが出るような治療姿勢は避けている。また以前はなかった左膝の抜ける感じも出現するようになった。
歩行評価
歩行では
- 右腕振りの消失
- 右立脚期の潰れ
右側になにか問題があるような印象を受けました。
いつも通りの評価の流れです。
評価ルーティン
- 座位▶︎法則性通り
- 立位▶︎足部のみ逸脱
- 上肢外転テスト(外乱に対する腹圧)座位・立位
- ▶︎両側共にnerveテンションの要素が入ってきてしまうため精査困難
- 左右荷重別上肢挙上パフォーマンステスト▶︎左荷重で低下
- nerveテンション▶︎左側にてテンション↑
- 頭頸部アライメント▶︎逸脱
- 並進バランステスト▶︎左側↓
- 動きのクセ▶︎体幹右回旋※動きのクセ入れた後の並進バランスは↓、動きのクセと逆の動きを入れた後の並進バランスは↑
- ゴルフスイングの確認▶︎インパクトからフォロースイングまでの腰椎伸展回旋側屈ストレス↑
- 体幹側屈可動域▶︎右側屈制限、下がり切らない
ここまでを解釈すると
- 歩行や体幹側屈などのムーブメントでのエラーは右側に出現
- パフォーマンステストでは左側優位の低下
- nerveテンションも左側優位にテンション↑
- 動きのクセと実際のパフォーマンステストの結果の解離
個別性の評価
評価結果のリンクが見えてきませんでした。そこで問診を進めていくとついこの間からゴルフスイングを変えていたことがわかりました。スイングを変える前と変えた後のスイングを評価すると、明らかにスイング変更した時の方が、骨盤回旋に対する逆方向の体幹回旋可動域が足らず、腰椎伸展回旋側屈での代償が強くなっていました。
歩行時もそうですが、身体はその場に定位するように動くため、骨盤の回旋と体幹の回旋は逆方向となります。その逆方向の回旋可動性が不足した結果腰椎へのストレスを増大していました。腰痛に関してはおそらくそれが原因となっていると予測されました。
そしてとどめの問診です。
「最近息苦しさとかない?」
と聞くと、なんと右の肺での呼吸が辛いとのこと。肺を評価すると明らかに肺の硬度が高く、右肺の位置も下方に変位していました。右の肺が下方に位置しているため、側屈時に肺がこれ以上下がらないということになり、側屈時の制限因子となっていました。
肺が原因ということをより精査するため、右の肺に空気を入れるように深呼吸した後と左の肺に空気を入れるように深呼吸した後の並進バランステストを行うと右の肺に空気を入れるように深呼吸したあとの方が並進バランスは下がりました。
ということでなぜか原因はわからないが肺が潰れて硬くなっているせいで体幹の可動性が制限され腰椎に負担がかかり腰痛に繋がったという仮説ができました。検証するために右肺を治療部位とし、硬度の調整を行いました。
調整後は、パフォーマンステストは改善、神経系のテンションも改善、痺れの程度も軽減しました。歩行時の膝の違和感は残存している状態でした。痺れは軽減はしてるものの、程度が和らいだだけで、治療姿勢をとったときの痺れの出現場所と出現する早さは不変でした。
ここまでで今回のリハビリは終了しました
まとめ
まとめると
- 右肺の硬さが体幹の硬さをつくりだしていて、腹圧の低下を引き起こし、腰椎がモビリティの代償をしていた結果腰痛が出現していた
- 痺れに関しては、間接的な影響はあったが、根本原因ではなかった
次回は今回の結果と経過を踏まえて、再度評価治療を行って行きます(やるのは神同期)
ではでは(^^)
評価と治療のロジカルはこちら