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PHI Pilates JAPAN FESTA 2021 #1包括的アプローチと感覚運動科学

はやた
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みなさんこんにちは

先日、PHI Pilates JAPAN主催のフェスタに参加してきました。

コロナ禍ということもありもちろんオンライン開催。

このフェスタは毎年開催されており、私も2019年に参加しており、今回で2回目の参加となります。

今回のコラムでは、1番印象に残った近藤拓人先生のセミナーで学んだことをお伝えしていきます。

今回のコラムは

こんな人にオススメ
  • 医療従事者
  • ピラティスインストラクター
  • パーソナルトレーナー

それではやっていきましょう

包括的アプローチとは

まず今回のタイトルでもある「包括的アプローチ」についてです。

包括的の意味を調べてみると

「幅広く全体的な」」という意味みたいです。

幅広く全体的なアプローチということですね。

ここでWHO(世界保健機関)による包括的アプローチの定義を見てみると

誰もが包括的なケアが受けられることを約束したもの。これは健康促進、疾病障害予防、治療、リハビリテーションや緩和ケアなどの前フェーズ;社会、経済、環境や個人の特徴、行動など全ての側面を含む

・個人、家庭、コミュニティをEmpowerする(力づける)もの

これって、もっと予防~治療~リハビリテーションまでの幅広いケアを受けられるようにしましょう。誰しもが生まれた瞬間から死ぬまでケア受けられるようにしようぜってことです。

これ裏返すと、今の世の中はこの誰しもが生まれた瞬間から死ぬまでケア受けれてないよってことです。

もちろんケアが受けれてるよって人もいると思いますし、日本なんかは医療保険制度があるので、比較的ケアは受けれているほうだと思います。

しかし、日本人は身体が悪くなってからケアを受けるっていうのが根付いていて、予防の観点がまだ一般化されていません。

身体にトラブルが起きる前の予防の観点を持ってもらうために、包括的アプローチの視点は必です。

なぜ包括的アプローチが必要なのか

ヘルスケアにおいてこの包括的アプローチという視点があることで、最も費用対効果が高いプライマリケアを充実させることができるからです。

プライマリケアというのは

患者の抱える問題の大部分に対処でき、かつ継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域という枠組みの中で責任を持って診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービスである

プライマリケアは簡潔にいうと、とりあえずかかりつけ医がみて、そっから専門家に回しましょうってことです。

例えばですけど、今ってなんか腰が痛いなって時は、とりあえず整形外科医のところいきますよね。

そこで、レントゲンとかCTとかとって異常ないですね~って言われて、とりあえず痛みが和らぐように電気とマッサージ受けて帰りましょうかってなって、とりあえずやって、次回の予約をとって、通い続ける。でも腰は痛いままみたいな例が結構ざらにあります。

それで後々、内臓の病気が見つかって、実はそれが原因で、内臓の治療が終わると腰痛も無くなるっていう。

この例は極端ですが、腰が痛い→整形外科に行こうというように、自分で受診する診療科を決めてますよね?

この自分で受診する診療科を決めているところをとりあえずかかりつけ医がみて、そっから専門家にバトンタッチするっていう方が効率がいいよねって話です。

そのほうが、腰痛を治すのに1番近道なんですよ。

しかし、日本ではこのかかりつけ医制度はありません。

個人的にとりあえずこの先生に見てもらうって人もいると思いますが、ごく少数だと思います。

要は、全体的に満遍なく診ることができるお医者さんが少ないってことですね。こんなこと言ったらお医者さんに怒られそうですが、

でもこれって、当たり前なんですよ。お医者さんに限らず、医療は専門化していく傾向にあるからです。

お医者さんも何科に進むとかが必ずあるかため、その選んだ科に特化していくのは当たり前です。

そのため、現状では、このかかりつけ医が不在という課題がありますが、

近藤先生はこのかかりつけ医というポジションに我々、身体の専門家が担える可能性があるのではないかというお話でした。

業種間連携と網羅的指導

現状、お医者さんのところに行くのは何か身体に問題が生じた時です。

身体に問題が生じる前、予防的ケアに位置している人って、パーソナルトレーナーやインストラクターさんです。

つまり、いちばんはじめにその人に関わる可能性が高い人って、我々パーソナルトレーナーやインストラクターなのです。

1番近くで1番長くその人のことをわかっている我々パーソナルトレーナーやインストラクターがその人にかかりつけになればいいんです。

そうすると、「いやでも医者じゃないし、そんなのわかんないよ」という声が聞こえてきますが、

そこで、近藤先生がおっしゃる包括的アプローチ(業種間連携と網羅的な指導)が必要になってくるのです。

この網羅的な指導を我々が今後意識してやっていくべきところだと仰っています。

また専門家の予測は外れるということも仰っていました。

こちらの本の内容ですが、


多くの分野に精通し、知識と経験の幅が大事だということです。

我々でいうと、筋肉だけ、神経だけ、運動器だけ、循環器だけではなく、

心理、免疫、精神などもっと幅広い分野を学ぶことが大事ということです。

少し話はそれますが、

今の世の中はVUCAの時代と言われています。

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

これらの要因により現代社会は極めて予測困難な状況に直面しています。

例えばですが、コロナがいつ収まるかわかる人っていますか?いないですよね。

専門家が正しいとも限らないってことですね。

抽象化と具体化

そうやって幅広い分野を学び、知識と経験の幅を広げることで、一つの事象に対する抽象化と具体化ができるようになるのです。

一つの分野しか学んでいないと、一つの分野から考えようとしてしまい、どんどん具体化していってしまうという落とし穴に陥ってしまうのです。

これを我々の臨床で例えると、

といったようにどんどんどんどん細かく見ていってしまい、わからなくなってしまいます。

実は、足部に問題があったというような例も少なくありません。

こう陥らなくするためには、一つの事象に対する抽象化と具体化をすることです。

抽象化するためには一歩引いた視点からみることが大事です。

肩関節ばっかり見ていたら、足部は見えません。

一歩引いてみてみることで見えてくるものがあります。

具体化すればするほど本質が見えなくなってきます

優先順位が見えなくなってくるのです。

自分が精通している分野で全てを見るのは限界があります。

はじめは、抽象化から始めなければいけません。徐々に具体化していく必要があります。

ズームインとズームアウトを使い分ける必要があります。

有名なインドの話があります

数人の盲人が象の一部分を触って感想を語り合うという寓話。

  • 尻尾を触っている人は紐だと言い
  • 胴体を触っている人は壁だという
  • 足を触っている人は木といい
  • 耳を触っている人はうちわだという
  • キバを触っている人は槍だといい
  • 鼻を触っている人は蛇だという

これは物事の多面性を表現している。

また、物事や人物の一部だけを理解して、全て理解したと錯覚してしまうことを表現している。

このように一つの側面からだけでは全体を把握することが難しいということです。

では、人の身体に関してはどうでしょう

「クラクラする。」

このような訴えがある人がいたとしたらあなたはどうしますか?

頭を打ったのかな?眩暈がするのかな?貧血かな?寝不足かな?

  • 自律神経が乱れています
  • 筋膜の滑りに問題があります
  • 心疾患の疑いがあります
  • 食事が悪いです

自分が持ってる情報だけで全体を評価しようとするのは愚か

たまたま自分の専門領域にハマってるだけではないか

一回セッションやって様子を見ましょうでは

自分の得意分野だけで評価しようとすると矛盾が生じます。

「もし、ハンマーがあなたの持っている唯一の道具だとしたら、全ての問題が釘に見えてくるだろう」

マーク・トウェイン

今回の内容をまとめると

・包括的アプローチを行うためには、知識と経験の幅を広げ、事象に対して抽象化と具体化ができるようにすることが大事ということ

続きはまた次回

ではでは^^


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