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ピラティスレッスン編 Sくん#4

はやた
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みなさんこんにちは

ピラティスレッスンレポートの第4回目ですね。

前回は、スタビリティカテゴリー中心に行いましたが、仰向けでのエクササイズ中に腰椎の代償が入ってしまっていたため、十分なエクササイズ効果が得られませんでした。

前回の反省を活かしての4回目のレッスン模様についてお伝えしていきます。

このコラムは

こんな人にオススメ
  • ピラティスインストラクター
  • 理学療法士
  • 運動指導に関わる人


それではやっていきましょう

評価

まずはレッスン前の問診。

ちなみに前回から10日後です。

現在生じている症状は

  • 右側坐骨神経領域の痛みと痺れ
  • 右L2/3領域の痛みと痺れ

これらが生じていました。

ムーブメントの評価では

  • 股関節可動性↓
  • 脊柱ラウンド↓
  • 腰椎伸展↑


が依然として著名でした。

ムーブメント時の痛みと詰まり感の訴えも聞かれました。

やはり脳の書き換えが不十分な状態で日常生活を送っているため、日常生活の中でどんどん不良な運動パターンを学習していき、可動性↓の部分はどんどん可動性が低下し、過剰運動部位はどんどん過剰になっていく、悪循環から抜け出せていない状態でした。

ピラティスの中でもマットエクササイズは1番難しいと言われているため、今回のクライアントにとっても、そもそも運動の負荷が高かったと考えられます。

ではどうすればいいか。

考えた結果、

  • 限りなくマシンピラティスに近い形でエクササイズを行う
  • プロップスを活用し、マットピラティスを行いやすくする

という結論に至りました。

まあこれは運動療法を組み立てる上で初歩中の初歩なんですけどね(笑)
これを踏まえて、マシンピラティスに近い形でエクササイズ処方を行いました。

4回目エクササイズ

壁でのフットワーク

ピラティスエクササイズの中にフットワークというエクササイズがあります。

簡単にエクササイズの目的を説明すると、

「脚のウォーミングアップ+股関節・膝関節・足関節(距腿関節、距骨下関節)の運動学習」

もっとシンプルに一言で説明すると、

「脚を整える」

今回のクライアントは股関節がうまく使えていないため、まずは、脚を上手く使えるようにしましょうという目的で処方しました。

大前提にフットワークは、ウォーミングアップのエクササイズなので、まずウォーミングアップ目的でフットワークエクササイズを行うのはごくごく自然な流れですね。

今までは、ウォーミングアップなく、いきなり目的とするエクササイズを行っていたため、そりゃ上手いこと身体も動かず、代償だらけの運動になってしまうのも当然でした。

今までもウォーミングアップの位置付けのつもりで行っていたエクササイズはありましたが、負荷量が高く、ウォーミングアップになっていませんでした。

続いて、フットワークのエクササイズについての説明です。

簡単に説明すると、

踵の上げ下げと股関節と膝関節の屈伸運動を同時に行うエクササイズですね

文で説明してもイメージ湧かないと思いますので、興味のある方は、YouTubeをチェックしてみてください。

みていただけるとわかると思いますが、このフットワークエクササイズを普通に立った状態でやろうとすると結構難しいです(笑)

代償なく完璧に行うとなると、恥ずかしながら僕も全然できないっす。

ピラティスでフットワークエクササイズというと、リフィーマーというマシンを使って行う物を指すことが多いです。

リフォーマーを使ったフットワークは、立った状態ではなく、仰向けで寝た状態でできるので、立った状態で行うよりも、代償が少なく行うことができます。

尚且つ、リフォーマーはバネの補助があるため、よりエクササイズがやりやすくなります。

ここまで説明すると、じゃあ最初からそのリフォーマーっていうマシンを使えばいいじゃんって話になるんですけど、、、

はい、もちろんありません(笑)

長くなりましたけど、ここで

”限りなくマシンピラティスに近い形でエクササイズを行う”

になるわけですね。

そして、フットワークをリフィーマーに近い形でやるにはどうしたらいいのか?

ズバリ、「壁」です。

壁を使って、フットワークを行います。

具体的には、壁に寄りかかった状態でフットワークエクササイズを行います。

なんだそんなことかと思うかもしれませんが、

壁を使うだけで、こんなにも劇的に身体が変わるのかと僕自身も驚愕でした。

壁を使ったフットワークの利点をまとめると

  • 代償動作が確認しやすい→壁から離れたら代償
  • 壁自体が感覚入力になる
  • 立ってやるより簡単→寄りかかれるから、負荷量↓
  • 負荷量を下げた状態でCKCエクササイズを行える
  • 壁に寄りかかるため、支持基底面が広くなるため安定する
  • 指導者側がキューイングを出しやすい


ざっとこんな感じですかね。

この壁を使ったエクササイズを今回のクライアントさんに処方した結果

こんなに変わるんです。

エクササイズ前に聞かれていた症状もほぼ消失

フットワークエクササイズ恐るべし。

股関節の可動性はもちろん、脊柱のラウンドも得られていますね。

脚を整えた結果、姿勢も改善し症状も改善したことから、今回の一連の症状の原因の一つは、下肢に問題があった可能性が考えられます。

そこでさらにもうひとエクササイズ行いました。

レッグパンプス

このエクササイズもフットワークと同様に、チェアーというマシンを使ったピラティスのエクササイズをマシンに近い形で行います。

目的としては、フットワークと近しい目的があり、

「脚のウォーミングアップ、ヒラメ筋の運動学習」

です。

こちらも一言で説明すると、

「脚を整える(下腿がより)」

です。

今回のクライアントは既往歴に、”右膝内反ストレスにより歩行困難”が生じた既往があるため、恐らく下腿にも問題がありそうです。

そこで、下腿に特化したエクササイズを行い、より一層”脚を整える”ことで姿勢と症状が改善するかみていきたいと思います。

レッグパンプスのエクササイズの方法ですが、こちらもシンプルで

「座って、踵の上げ下げ」

これです。座った状態でのヒールレイズです。

実際はチェアーというマシンピラティスで行うのですが、

もちろんチェアーはありません(笑)

こちらは、レッドコードというリハビリの機械を使って、チェアーに近い形でエクササイズを行うことで、エクササイズ効果を得られるようにしました。

もちろん、レッドコードなんていう機械もそうそうあるものではないので、そういう場合は、座って踵の上げ下げをするだけでも十分効果が得られます。

これ実際に行ってみるとわかりますが、地味に効いてきます。

機能解剖学から説明すると、

座った状態でヒールレイズをするので、膝が曲がった状態で踵の上げ下げをすることになります。

すると、ヒールレイズを行うときに主に働く「腓腹筋」が働きづらくなります。

その代わり、「ヒラメ筋」が使われるようになります。

現代人は、全員ではないですが、ほぼ全員腓腹筋が硬いです。

今回のクライアントに関わらず、現代の人々は、スウェイバック姿勢を呈しており、
スウェイバック姿勢になると、多くの場合、もも裏とふくらはぎがかちこちです。

原因は、座りすぎによる、ハムストリングスの短縮とそれに伴う腓腹筋の短縮です。

もも裏の筋肉であるハムストリングスとふくらはぎの筋肉である腓腹筋は膝裏で密接に繋がっています。いわゆる筋膜のつながりが強いです。

そのため、ハムストリングスが硬くなると、必然的に腓腹筋も硬くなります

この硬くなっている腓腹筋を抑制した中で、

ふくらはぎの深層の筋肉であり、踵の上げ下げに関わる単関節筋であるヒラメ筋にスイッチを入れることで、めちゃくちゃ、腓腹筋とハムストリングスにストレッチをかけることができます。

ヒラメ筋にスイッチが入ると、立った時に、自然と、脚がスッと伸びるような感覚になり、前屈時のもも裏のつっぱり感も軽減します。

今回のクライアントも、座ってヒールレイズを行うことでさらに前屈可動域が広がり、ツッパリ感も減っていました。

まとめ

以上長くなりましたが、今回はここまで

今回お伝えしたエクササイズをまとめると

  • 壁を使ったフットワーク
  • 座ってヒールレイズ

を行うことで、脚を整える

その結果、クライアントの症状の緩和が図れました。

たった2つのエクササイズを正しいやり方で行うだけでこんなにも身体が変わります。

いかに原因にアプローチするのが重要かがわかりますね。

それでは次回もエクササイズの続きを紹介していきますね。

ではでは^ ^


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