ピラティスってなに?理学療法士が教えるピラティスの本質!
みなさんこんにちは
今日はピラティスの本質についてお伝えします。
今回のコラムは
・ピラティスに興味がある人
・ピラティスを臨床で使いたい人
・ピラティスの目的がわからない人
理学療法士の資格をもち、2年前にピラティスの資格を取得し、臨床でピラティスを活用している齋藤がお伝えしますね^ ^
それではやっていきましょう。
ピラティスって何?
まずここからいきましょう。先に結論いっちゃいます。
ピラティス=運動学習
です。
はい、何言ってるのって感じですが、順番にお伝えしていきます。
ヨガとピラティスの両者で比較され、世間一般のイメージとしてよく聞かれるのが。
<よくある間違い>
ヨガ=ストレッチ、瞑想、ポーズ決める
ピラティス=筋トレ、体幹、コアトレーニング
です。
これは大きく間違っています。すごく簡単にいうと
ピラティス=ドイツ発祥。ケガした兵士を早く戦場に戻すために考案された運動
です。
もう少し深掘りしていくと
ピラティスとは?
- 20世紀初頭、真の健康と幸福を手に入れるために、一人のドイツ人が唱えた合理的で情熱的なボディワーク
- 第一次世界大戦中、Joseph Hubertus Pilates(1883〜1967)により、負傷兵のリハビリテーションを目的として開発された身体調整法
- ベッドで寝ながらできる運動
- コントロロジー”と呼ばれる運動法
はい、リハビリが起源なんです。
ピラティスって人の名前からとってつけたものなんですね。これは意外と知らない人が多いんじゃないでしょうか。
かくいう自分も、ピラティスを始めた当初は知らなかったわけですが。
ピラティスを2年程やってきた私が個人的に考えるピラティスってなに?に対する結論は
ピラティス=運動学習(motor learning、study of movement)
です。
この運動学習をしていく過程・結果として巷で言われているような効果が得られていきます。
続いてピラティスの効果についてお伝えします。
ピラティスの効果とは?
続いてピラティスの効果についてお伝えします。
ピラティスの効果とは?
- 体が痩せる
- 体幹が鍛えられる
- 筋力がつく
- 姿勢を綺麗にする
- 疲れにくくなる
- 腰痛、首肩こりがよくなる
- メンタルヘルス
- 呼吸機能が良くなる
と言われていますが、全ては運動学習の過程・結果として得られる効果です。
発祥を辿ると
”怪我した兵士を戦場に早く戻すための運動=破綻している身体・身体運動に対して、正しい身体運動を学習していくメソッド”
です。
これを現代に当てはめて考えると、
姿勢・動きが悪い人の姿勢・運動が良くなり、結果的にダイエットや筋力・体幹トレーニングになるということです。
つまり、ピラティスの1番の目的は”身体の不調を良くしていく=リハビリ”です。
臨床でピラティスを取り入れるとなると気になるのが、ピラティスの科学的根拠ですが、
- 痛み軽減と機能低下を改善する
- 高齢者の歩行、日常生活動作、生活の質、メンタルの改善
- 慢性非特異的腰痛に関連するkiinesiophobia(運動恐怖症)の軽減
- 慢性心血管疾患、癌、慢性呼吸器疾患、糖尿病を罹患する人の運動耐用能の改善
- 非特異的腰痛の疼痛軽減
- 心肺機能の改善
- 高齢者のバランス能力の改善
ちょっとまとめてみてもこれだけ科学的根拠あります。
研究デザインもシステマティックレビューという1番エビデンスが高いものをチョイスしました。
だから、腰が痛い・体を動かしていない人で、運動っていっても何をすればいいのって人はとりあえずピラティスをすることを強くオススメします。
ピラティスのやり方とは?
ステップ1:ニュートラルポジション
じゃあ具体的にどうやってやるの?をお伝えしていきます!
まずは、ピラティスをする上で欠かせないのが、”ニュートラルポジション”と呼ばれるもの
”ニュートラルポジション”とは一体なんぞやと
ニュートラルポジション=身体を最小限の力で効率よく保持できる状況
ニュートラルポジションは、誰でもとれるように身体の”骨の位置”で決められています。
わかりやすく身体の上から順に追うと
- 耳の穴
- 肩
- 第10肋骨
- 骨盤
この4点のラインが、一直線になることがポイントです。
解剖学的に説明すると
- 乳様突起と肩峰が一直線になることで頭頸部の位置が安定
- 胸郭の位置が骨盤の上にのり安定
- 骨盤前後傾中間位になり安定
ピラティスインストラクター養成コースの中で定められているのが、
- 足・膝の幅は坐骨結節幅
- 骨盤の前方トライアングルが床と平行
- 胸郭が床と平行、かつ第11、12肋骨が床についている
- 第10肋骨と上前腸骨棘(ASIS)が同直線上
- 肩を開き下がった状態
- 乳様突起と肩峰が一直線
基本的には、このニュートラルポジションを常にキープして身体を動かすことがピラティスの基本になります。ここのニュートラルポジションを無視すると、それはただの運動となんら変わらなくなります。
ステップ2:呼吸方法
よくある呼吸方法の間違いで
腹式呼吸=ヨガ
胸式呼吸=ピラティス
と認知されやすいですが、これはちょっと違います。
ピラティスの呼吸は、”身体全体を膨らませる”呼吸です。
身体全体を膨らませることで、腹圧が上がり、体幹が安定します。
そして、基本的には鼻から息を吸い口から吐きます。
運動中は、身体が伸展(身体が伸びる動き)時に息を吸い、屈曲(身体が曲がる動き)時に息を吐きます。
ピラティスの身体全体を膨らませる呼吸を解剖学的に考えると、
上:横隔膜
下:骨盤底筋群
横:腹横筋
後ろ:胸腰筋膜
これが大事です。いわゆるIPAという呼吸です。
ステップ3:背骨の動かし方
Elongation(エロンゲーション)&Articulation(アーティキュレーション)
この2つの背骨の動きがめちゃくちゃ大事です。
まずは、エロンゲーション!
- Elongation=頭側・尾側の両方向に伸びる
- 常に頭側と尾側方向に伸びる意識を持ちながら運動する
理由はシンプル
脊柱が安定します
人間は地球という重力環境下に常にさらされています。
その重力に逆らえなくなると猫背やストレートネックなどの身体の歪みにつながります。
それに対して常に逆らうためには、
シンプルに頭は天井に向かって高く、骨盤をたててお腹を伸ばす
これを意識することでエロンゲーションの動きがでてくるようになります。
次にアーティキュレーション
- Articulation=分節的
- 背骨を1つ1つ動かすこと
人間の背骨は、頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎5個、尾骨1個、合計30個の骨で構成されています。
普段の生活の中でこの30個の背骨の動きを感じている人はいないでしょう。
しかし、実際には30個の背骨の1つ1つが動くことで、体が曲がったり、反ったり、傾けたり、回したりできているのです。
本来背骨1つ1つが分節的に動くことで問題なく身体が動いてくれますが、
現代の人々は、背骨が1つ1つ動かす感覚が失われているため
身体を動かしていく中で、過剰に動いてしまう部分や塊となり動きが出なくなる部分が生じ、その結果痛みやケガが発生します。
また、人間は動かしていないところかないところと脳がそれを学習してしまい、そのままでいると脳が動かないことを学習して余計に動かなくなります。
これをアーティキュレーションの意識をもちながら、ピラティスしていくことで、脳の書き換えを行うことができます。
だから、ピラティスは、
- 姿勢を変えることが目的でもなく
- ダイエットすることが目的でもなく
- 筋力つけることが目的でもなく
上記は過程・結果であって、ピラティスは”運動学習”が目的です。
まとめ
以上ざっくり3点をお伝えしましたが、これはピラティスの本質の中のほんの一部分でしかないです。
ピラティスに興味がある人はまずは体験してみましょう。
ピラティスやる前とやった後では、マジで身体の感じ方が変わります。
ではでは^ ^